インストールできました。次に何を頼めばいいですか
ClaudeCodeを入れてみた。起動もできた。それで、何を頼めばいいのか。
ここで手が止まる方は多いと思います。前回の記事ClaudeCodeは、自力でどこまで使えますかで「まず試してみてください」と書きましたので、その次の話をします。
結論から書きます。最初に頼むのは、すでに終わった仕事です。
公式の案内どおりに進めると、どうなりますか?
「hello world 関数を追加してください」にたどり着きます。
Anthropicの公式クイックスタートを見ると、最初の質問として次のような例が挙げられています(公式ドキュメント、2026年9月時点)。
- このプロジェクトは何をしていますか
- メインの入口はどこですか
- フォルダ構成を説明して
そして「最初のコード変更」として案内されているのが、「メインファイルに hello world 関数を追加してください」です。
これは開発者向けの案内です。 公式クイックスタートは、始める前の条件として「作業するコードプロジェクトがある」ことを挙げています。プログラムを書く人にとっては、これで正しい入口です。
ただ、業務を楽にしたくて入れた方にとっては、まったく手がかりになりません。手が止まるのは当然です。 読者が悪いわけではありません。
最初に何を頼めばいいですか?
すでに終わった仕事を渡して、もう一度やらせてみてください。
たとえば、こういうものです。
- 先月、自分で作った集計表
- 先週、時間をかけて整えた書類
- この前まとめた、会議の記録
新しい仕事を頼まないでください。 まだ答えの出ていない仕事を最初に渡すと、出てきたものが正しいのかどうか判断できません。
なぜ「終わった仕事」なのですか?
正解が手元にあるからです。
自分が作ったものと、ClaudeCodeが作ったものを並べて見比べられます。これができると、いろいろなことが一度に分かります。
| 見比べて分かること | 判断できること |
|---|---|
| 同じものが出てきた | この作業は任せられる |
| 惜しいが違う | 説明を足せば任せられそう |
| まったく違う | この作業は向いていないか、説明が足りていない |
新しい仕事で試すと、この見比べができません。「なんとなく良さそう」で終わってしまい、判断がつかないまま時間だけが過ぎます。
これはClaudeCodeで置き換えられる作業と、置き換えられない作業で挙げた3つの問いのうち、3番目(出てきたものの間違いに気づけますか)を、最初の一歩に当てはめたものです。
具体的には、どう頼みますか?
日本語で、普通に頼んでください。 特別な書き方は要りません。
新しく入った社員に仕事を頼むときと同じです。「このフォルダにある先月分の売上を集計して、この様式にまとめてください」。そう伝えれば、その意味で受け取ります。
ただし、伝え方で結果が変わります。慣れないうちは、次の3つを意識すると差が出ます。
1. どのファイルを使うのかを示す 「先月の資料」ではなく、どこに置いてあるどのファイルなのかを伝えます。
2. 出力の形を示す 「まとめて」だけだと、こちらが想定していない形で出てきます。「この様式に合わせて」「表にして」と伝えます。
3. 判断が要る部分は、先に伝える 「この取引先は特別な単価なので、そこだけ別扱いにしてください」。こうした条件は、聞かれる前に伝えたほうが早く進みます。
3つ目が、実は本題です。この「先に伝えること」を毎回言わずに済むようにしたものが、構築仕様書です。
30分で何が分かりますか?
自社に合いそうかどうかの見当がつきます。 使いこなせるかどうかまでは分かりません。
30分あれば、終わった仕事を1つか2つ試せます。そこで分かるのは、次のあたりです。
- 自分の仕事の材料が、そもそもファイルとして扱える形になっているか
- 頼んだ内容が伝わるか
- 出てきたものが、使いものになりそうか
逆に、30分では分からないこともあります。 毎日の業務に定着するかどうか、社内の他の人が使えるかどうか、といった話です。そこは別の問題なので、社員にAIを配っても、使われない理由に書きました。
うまくいかなかったら、どうしますか?
「指示が悪かったのか」「その作業が向いていないのか」を切り分けてください。
思ったものが出てこなかったとき、多くの方はそこで終わりにします。ただ、原因は2つに分かれます。
| 原因 | 見分け方 | 次にやること |
|---|---|---|
| 指示が足りなかった | 足りない条件に心当たりがある | その条件を伝えて、もう一度頼む |
| その作業が向いていない | 何を足せばいいか分からない | 別の作業で試す |
1回で諦めないでください。 2回目、3回目で「そこは違う」「この場合はこうしてほしい」と伝えていくと、だんだん近づきます。会話を重ねられる点が、従来のソフトとの違いです。
ただし、何度やっても近づかない場合は、その作業自体が向いていない可能性があります。 深追いせず、別の作業で試すほうが早いです。
最初は深追いしないほうがよいこと
3つあります。
1つ目は、環境の作り込みです。 設定ファイルを整えたり、細かい調整をしたりするのは、使うと決めてからで構いません。試す段階では要りません。
2つ目は、複雑な自動化です。 決まった時刻に動かす、といった仕組みは後からで足ります。まず手で頼んでみて、手応えを確かめるのが先です。
3つ目は、いきなり本番の仕事を任せることです。 試している最中のものを、そのまま取引先に出さないでください。最初のうちは、必ず自分で確認してから使います。
よくある質問
試すのに、どのくらい時間をみておけばいいですか?
30分あれば、終わった仕事を1つか2つ試せます。まとまった時間が取れないなら、15分で1つだけでも構いません。大事なのは長さより、正解が分かっている仕事を選ぶことです。
間違った指示を出したら、ファイルが壊れませんか?
ClaudeCodeは、ファイルを書き換える前に確認を求める設定になっています。それでも心配であれば、元のファイルをコピーして、そのコピーで試してください。試す段階では、そのほうが安心です。
うまくいったら、次は何をすればいいですか?
同じ作業を、もう一度別の月のデータで試してみてください。1回うまくいったことより、2回続けて同じ品質で出てくることのほうが重要です。そこが、業務に組み込めるかどうかの分かれ目になります。
まとめ
- 最初に頼むのは、すでに終わった仕事。正解が手元にあるので評価できる
- 30分で分かるのは「合いそうか」まで。定着するかどうかは別の問題
- うまくいかないときは、指示が足りないのか、作業が向いていないのかを切り分ける
公式の案内は開発者向けなので、業務で使う方が迷うのは自然なことです。入口さえ分かれば、あとは触ってみるのがいちばん早いと思います。
試してみて「使えそうだが、自社の業務にどう組み込めばいいか分からない」という状態になったら、そこがご相談のタイミングです。お気軽にお声がけください。